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お日様布団
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は驚いた。
ハウスキーパーが来なくても、珪の家は相変わらず、清潔に保たれていたからだった。
「なんかやることないかも……」
「……料理、楽しみにしてる」
「うん。じゃぁ、珪くん、今日なに食べたい?」
「……特にない」
その反応に、はやっぱりな、と思った。
「ご飯までに時間あるから、掃除機かけたりとか、お洗濯とかしようか?」
「いや、洗濯は……」
さすがの珪も、下着を洗われるのはいやだったのだろう。が、はお構いなしだ。
「なーに恥ずかしがってるの? いいよ。じゃぁ、洗濯ネットにより分けておいて。その間に掃除機かけちゃうし、洗濯物はさ、一緒に干そうよ?ね?」
と、いいながら、は珪を脱衣所に背中を押して追いやった。
が張り切るわけ。
ちょっと不安なのだ。
隅々まできれいにされてる心配りが、珪のところのハウスキーパーは、若い女性ではないかと言うこと。
「よっし! 負けないぞー」
掃除機のスイッチを押した。
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一階と階段を掃除機をかけ終わるころ、は脱衣所の珪を見に行った。
「下着とか、普段着以外のは分けてくれた?」
「……ああ。」
「じゃ、おしゃれ着から洗おうか?」
「……? 一緒じゃだめなのか?」
「うーん一応、洗剤があるみたいだし、いつも分けて洗ってくれてるんじゃないのかな?」
「そうなのか」
「……あ!そうそう、二階の勝手がわからないから、二階の掃除機は珪くんにお願いしてもいい?」
「……ああ」
は洗濯機を動かしながら珪に言った。
珪はその姿が、自分の母親と少しダブって見えた。
洗濯機が回っている間に、はお風呂掃除と、あまり溜まってない食器を洗い終えた。
珪は、ソファに座り(やることがない)、くるくる動くを見たいた。
「けーいくん。下着も洗い終えたよー」
ひょっこり顔を出すに珪は、はっとした。
一緒に洗濯物を干し終え、家事は一段落した。
珪はソファーに寝転がり、は台所に立っていた。
ふわりと香る、褐色の匂い。
「えへへ。バイト先から、少しコーヒー豆をもらってきちゃったんだ。珪くんも飲むよね?」
「……ああ。おまえ、気が利くな」
の入れたコーヒーは、いつもよりおいしく感じられた。
「あ。珪くん、お布団干してもいいかな? せっかくお天気いいんだし。羽毛だったら、2時間くらい干しておけはいいし」
コーヒーを少し飲んで、は珪の部屋から、ベランダへと行った。
(あいつ、自分の家でもそうなのか……?)
珪はくすりと笑った。
あいつと結婚したら、こんな感じなのかもな。
と思ったとたん、顔が赤くなるのがわかった。
「ねぇ、珪くん。お布団干してる間に、お買い物行こうか? 晩御飯決めながらお買い物しよう?」
「……じゃぁ、昼飯、おごってやる。……おまえ、疲れたろ?」
「ほんと? ちょっとラッキーかも!」