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ピタゴラスに逆らっちゃえ!
「、今週の日曜だが……」
昇降口で見かけたに、私は声をかけた。
ビリヤードに誘う……もとい、講義を行おうと思ったからだ。
「空いてますよ。……でも、私が氷室先生を社会見学に連れて行ってあげようと思います!」
な、なんだと!?
いや、しかし、からの提案も悪くないかもしれない。
だがしかし、生徒に社会見学をつけてもらうなどとは……。
「ね?せんせぇ?」
この、の仔イヌのような目に、私はなぜか弱い。
「……フム。た、たまにはいいだろう」
「それじゃ、いつものスーツじゃだめですよぅ」
「う、うむ……」
笑顔のにうなずくことしかできなかった。
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日曜日
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定刻どおり、私はの家の前に、マサラティを停める。
「おはようございます。先生、時間通りですね?」
は、ジャケットをはおった、普段着の私を見て
「やっぱり先生はそういう格好も似合いますね? すごくかっこいいです!」
などと言うものだから、これからこういった格好でとの社会見学に出かけてもよいかもしれないと思った。
「……で、どこに行くかは予定は決めてあるな?」
「はい。まず、カラオケに行きましょう。で、ゲームセンターに行った後、昼食です。その後は、森林公園でゆっくりしてから、締めは私の好きなところで解散です!」
「なんなんだ?その予定は?まるで若者の……」
デートコースそのものではないか。と言おうして、私は口をつぐんだ。そんなこと言ったら、しゃ、社会見学ではなくなってしまう。
それから二人でマサラティに乗り込んだ。
「……ところで、質問だが……」
「はい。答えれることなら答えます」
「最後はどこへ行くのだ?」
は少し黙った後、笑いながら、「最後になったらわかりますから」と言った。
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カラオケボックス
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「さて、先生はなに歌いますか?」
う、歌など君が歌えばいい。と言おうとした。邦楽など、学生時代に益田が歌っていたのを聴いていたくらいなのだから。(無理やり聴かされたとも言う)
しかし、木並の笑顔を絶やしたくなかったので、学生時代に聴いた歌なら歌ってもよいかと思った。
「90年代の歌でよければ……」
「じゃぁ、最初は 『少年時代』 、歌ってくださいv」
が嬉しそうに笑ったのでよしとするか。
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ゲームセンター
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「君は時々こういうところに来るのか?」
「はい。欲しいぬいぐるみがあるんです。そういう時に来たり、あと、友達とプリクラしたりしますよ?」
私の学生のころは、ゲームセンターなどとは、不良の温床だったが、今は室内自体が明るく、誰でも気軽に遊戯できるようになっている。
そこが、学生の落とし穴なのだ。
ゲームにのめりこむようになって、学生の本分である学業がおろそかになってしまう。
「先生、あのぬいぐるみが欲しいんですけど、取れますか?」
「……フム。いる意味物理的な遊戯だな。やってみよう」
「ほんとうですかぁ? あのイヌのプニマルが欲しいんです。なかなか取れないんですよ」
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「先生すっごーい!全種類とって下さってありがとうございますv」
「たやすいものだ。バランスと速度、落下地点を計算すれば誰でも取れるだろう」
「でも、店員さん、困ってましたねー」
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昼食と言うのは、森林公園に来てからだった。
の荷物が大きいと思ったのは、弁当を持参してきたからだった。
「……フム。君はこういった特技があるのだな。」
「先生こそ、好き嫌いなく食べるじゃないですか? わたし、好き嫌いない人、好きです」
は、少しほほを赤らめたので、私の方も少し気恥ずかしくなってしまった。
「午後からはここでゆっくり、自然観察でもしましょう?」
「それもそうだな」
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時間はあっという間に流れた。もう夕方だと言うのに、は最後の場所に行く気配すら見せなかった。
「あっという間に時間が過ぎちゃいましたね」
名残惜しそうに言う。森林公園でゆっくりし過ぎたことを悔いているのだろうか?
「後は私の一番好きなところに行くだけですけど……」
「しかし、君は高校生だ。もう帰る時間ではないか?」
ここは大人として、注意すべきだろう。
「はい。じゃぁ、好きなところに行きます」
そう言って、はマサラティに駆け寄った。
「ここが一番好きなところです」
また仔イヌのような目で私を見た。
それから、少しだけ遠回りをして、彼女を家まで届けた。
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この後、ヒムロッチはメールをもらったんでしょうねぇ。
逆デートってどうよ、って思ったけど、普通にギャルゲーじゃんね?
>( ̄□ ̄)
ごめん。ヒムロッチ壊れてねーや。
リクに答え切れなくて評価はBかも知れないけど、許してけれ。
タイトルでおにゃんこだ!と気づいた人は挙手してください。