+++ まくらことば +++

                 書いた人 : 松子

「いい天気だね」

 五月晴れって、こんな日の事を言うのかな? 森林公園の緑は、お日さまの光を浴びていっそう輝いてる。
 晴れわたった空を見上げた珪くんは、眩しそうに目を細める。

「そうだな。……いい昼寝日和だ」

「もう! 言う事はそれだけなの?」

 整った口元を、少しだけほこらばせる。

「弁当、美味かった」

 モデルやってる時にはない表情かお

「んふふー。よろしい」

「ハラ、いっぱいになったら、眠たくなってきた……」

 ちぇ。もっと話とか、したかったのにな。珪くん忙しいからしょうがないよね?
 でも……。
 あっ!

「ねぇ、珪くん」

「……なんだ?」

 あくび混じりに、振り向いた。

「あ、あのね? ひざまくら、したげよーか?」

 なんか、カップルっぽくていいんじゃなーい? ……なんて事は、珪くんには決して言えないけど……。

「俺、使ってない。……枕」
 
 ごろり。柔らかな芝生の上に、珪くんはよこたわる。

「でも、わたしの誕生日に、枕、くれたじゃない? 好きなものだって……」

 眠たくてしかたないのか、珪くんは目をこすりながら

「……ああ。俺、抱き枕で寝てる。だから、枕、してくれるんだったら、今度家で……」

 ―― は?

「どーゆー……」

 珪くん、寝ちゃってる……。
 けど、どう言う意味なのかな?

 ………………ハッ!?
 それって!? え? でも……。

 
  
 +++ アトガキ +++
 ……わたしなら、公園でも抱き枕、オッケーっすよ! てへ! ついでに……へっへっへっ……(妄)