― ピンポ～ン ― （？？ 誰だろう。） 「は～い」 と返事をして扉を開けた。 「パンパカパーン！ ちゃん 誕生日おめでとう！」 （え！ え～～～～～～!?） 「嬉しい！ 覚えててくれたんだ」 （嬉し過ぎるよぉ～！！ あっ！ ダメ…。 顔がにやけてきちゃう。） 「エヘヘ。 女のコの誕生日を忘れたら、姫条まどか失格やで！」 「それから、コレ、プレゼントな。 自分の好みようわからんで苦労したけど……」 （私なんかの為に、一生懸命探してくれたのかなぁ。） そっと手を差し出すと、そこにはアンティークのラジオが。 「わぁ、ありがとう！」 （姫条君の好みかなぁ？ 俺好みに合わせろ！！ って事？ ………。 って違うでしょっ！ 私ったら、何考えてるんだろう。） この時の私は、自分の顔がどうなっていたかなんて、考える余裕も無い位、たくさん想像をしていた。 「よっしゃ！ 好感度バッチリ！ ……あ、いや、こっちの話。 ほんじゃ、またな！」 （…姫条君？ ………。） 何か言い残して帰っていったような……。 「もう少しだけでも、話がしたかったなぁ～」 名残惜しかったけれど、今は嬉しさだけがこの場所に残っていた。 わざわざ家にまで来て、プレゼントを渡してくれるなんて……。 （え？ もしかして、姫条君。 私の事を………。） 左右に頭を振り、自分の考えを否定した。 考え過ぎだよ！ ただ私の誕生日だから…って、プレゼント渡しに 来てくれただけじゃない。 （………） でも、こういうのってスゴ～ク嬉しい！！ だって、いつもデート（って言っちゃって良いのかなぁ…）に誘うの私からなんだもん。 不意打ちくらった！ って感じで、余計に姫条君の事が好きになっちゃうよ………。 それに、勘違いだってしちゃうよね。 （姫条君の事が好きだから……。） 「明日、頑張って姫条君に話かけてみよう！！」 （前に貰ったチャーハンと、今日のプレゼントのお礼も兼ねて、 お弁当でも作って、「一緒に食べよう！！」 って誘ってみよう……） |